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導電性インクとは?用途やコストを抑える方法について

導電性インクとは

導電性インクは、導電性をもつインク材料で、ビビクルなどの溶剤中に導電性フィラーを分散させ液体状に混錬したものです。電子機器の回路やセンサーなどに使用されています。アルミナ基板などの従来の硬い基板材料だけでなく、可撓性(かとうせい)のあるフレキシブル基板や電磁波シールドなどに直接電子回路を印刷することを可能にしました。

モノのインターネット化がすすみ、あらゆるアプリケーションにおいて導電性が求められる中、さまざまな素材に導電性インクの印刷ができるようになったことで、電子機器の設計と製造における新たな可能性が広がっています。

金属錯体インク

導電性インクの種類

導電性インクには、金や銀、銅などの金属ナノ粒子をフィラーとしたインクと、カーボンやグラフェンなどの炭素系材料をフィラーとするインクがあります。特に、金や銀を主体としたインクは、高温プロセスが不要で、酸化しにくく導電性が安定した電子材料として使われてきました。

一方で、原料コストが高価な点が課題であり、銅や炭素系材料のインクは金や銀を主体としたインクに比べると原料価格が低いため、従来の用途だけでなく、新たな用途にも活用できる可能性を持つ材料としても注目されています。

導電性インクの用途

導電性インクは主にプリンテッドエレクトロニクスという電子回路を印刷して形成する技術に適用され、タッチパネル、フレキシブルディスプレイ、ウェアラブルデバイス、電子ペーパーといった消費者向け製品から、車載向けセンサ・曇り防止用ヒーターなどの車載用途、各種センサやバッテリーなどの産業用途まで幅広く利用されています。

プリンテッドエレクトロニクスの技術の実現には導電性インクは必要不可欠な要素であり、その技術革新により従来の製造方法では不可能だった形状やデザインの電子機器を実現することができます。また、IoTデバイスの普及にともない、導電性インクの需要はさらに高まると予想されています。

X-MININGではプリンテッドエレクトロニクスに関してもご紹介しておりますのでご覧ください

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導電性インクはコストが課題の1つ

導電性インクは、コストが課題の1つです。特に、資源価格の高騰が進む銀を使用した導電性インクは、代替品として、銅やカーボン材料を使用した導電性インクの研究開発が活発に行われております。

一方で、銀と同等レベルの電気特性を安定的に得るためにはさまざまな課題があります。たとえば、銅の場合は銀に比べて酸化がしやすく、空気中でインクとしての安定性が乏しく、還元雰囲気にするなど何らかの対策を取る必要があります。

住友金属鉱山の新しい導電性インクについて

住友金属鉱山が開発を進めている導電性インク「銅粉添加Cu-Ni錯体インク」は、取り扱いに優れる錯体や自社で開発する微粒銅粉を組み合わせることで、低温で焼結可能でかつ厚膜化により抵抗を下げられる特性を有しております。
また、従来の銅ナノ粒子を用いたインクにくらべ、コストを削減しながら、酸化安定性に優れ、高い導電性を保持しているので、インクの使用量が多くなる大面積へのデバイスへ応用も期待されます。

【製品紹介】銅粉添加Cu-Ni錯体インク

住友金属鉱山の導電性インク用途は可能性が無限大

住友金属鉱山の導電性インクは、低温焼結性と厚膜化の機能により、プリンテッドエレクトロニクスの新たな可能性を広げ、バッテリーやディスプレイなど次世代のエレクトロニクス産業に貢献する材料として新たな用途への応用が期待されています。

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