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X-TALK Vol.7 【Part 2】 共創で切り拓く繊維革命
CWO®の活用:テキスタイル編

共創で切り拓く繊維革命
CWO®の活用:テキスタイル編

住友金属鉱山が開発した近赤外線吸収材料「CWO®」は、新しい技術や製品を生み出そうという熱い想いを持つパートナー企業様との共創により、その可能性を大きく広げ続けています。 共同印刷様、瀧定名古屋様、そして住友金属鉱山の3社による、CWO®を巡る共創のストーリー。【Part 2】は、共同印刷様からバトンを受けた瀧定名古屋様の挑戦のお話です。

※対談者プロフィールについては、「【前編】3社共創で切り拓くCWO®を活用した繊維革命」でご紹介しています。

前編を見る
※CWO®は住友金属鉱山が国内外で特許と商標を有する近赤外線吸収材料です。

確固たるエビデンスを持った「あったか素材」は今までなかった

東福

瀧社長は、共同印刷さんから最初に相談があった時、どのような第一印象を持たれましたか?

ファッション業界は1年ごとに流行が変わりますが、その中において生地の面で差別化するとすれば、色や風合いといった要素ぐらいしかありません。機能という要素も確かに以前からありましたが、優先順位としてはこれまでそれほど高くありませんでした。確かに近年は機能性素材も増えてはいますが、メーカーが示したスペックや効果に対する検証がないまま、感覚的に「この素材は温まります」といった程度の話でマーケットが進んできました。

もともと「あったか素材」といったものは、素材が持っている特徴を言葉にしただけのものが多いのです。できることといえば撚糸の工夫で表面積を大きくしたりすることぐらいなのですが、それでも機能としてうたえば売れてきた。実際はスペックが高くないのにイメージで売れているというケースが少なくなかったのです。加えて1年トレンドで回していくために同質化も起きる。「あったか素材が流行っている」となればそれをみんな作るわけで、そこに圧倒的なスペックの違いというものはありませんでした。

その点、共同印刷さんからの提案は、機能としての差別化ができるということはもちろん、色のバリエーションも出せる点で当社のニーズと非常に親和性が高いと判断しました。実際に糸から生地にしてバリエーションを揃えたうえで販売していくことはなかなかハードルが高いことなので不安もありましたが、サステナブルな時代にあって機能という切り口も大きくなる中、感覚的なイメージではなく、しっかりとしたエビデンスをもとに販売をしていくことの強さをもつことになりました。

髙木

今までのファッション業界の「あたたかい」というのは単なるイメージだったということですよね。

欠点をニーズと捉える

我々はファッションの世界でトレンドに重きを置いて150余年やってきたわけですが、そこに機能という要素が共同印刷さんから持ち込まれた。私たちにとっては、繊維を作りながら、なにか機械装置を作っているようなイメージがあります。今までは風合いをどうするかということしかできなかったわけですが、CWO®の糸を使っていかに機能を引き出すかということを考えることがどこか機械装置を作っている過程のような感覚を覚えるのです。逆に、そこまで考えながら生地を作る人が今までいなかったのかもしれないですし、そこまでやる必要がなかった業界だったのかもしれませんが、機械のように精緻な機能にこだわって作るからこそ、日本だけじゃなく世界に向けても自信を持って発信できる素材だといえるのだと思います。

東福

アパレルメーカー側としては、アウターをデザインする以上、ファッション性(カッコイイ・カワイイ・キレイといった意匠)を追求しなければならない一方で、極端に特化した場合はこれらと引き換えに、機能性(動きやすさ・肌体温調整・怪我防止等)を失うこともあろうかと思います。我々はこれまで、衣料は複数の機能を同時に担うがゆえに、ファッション性と機能性は相反するものとの固定観念がありました。ところが、瀧定さんは、CWO®を活用することで機能性を担保しつつ、むしろファッション性の自由度をこれまで以上に高めることに成功された。 “A or B(トレード・オフ)”ではなく、“A and B(トレード・オン)”という概念を追求し、新たなカテゴリーを生み出すと言う発想は、本当に素晴らしいと思いました。これは当社には到底真似のできない開発です。

住友金属鉱山の近赤外線吸収材料(CWO®)を使用した生地住友金属鉱山の近赤外線吸収材料(CWO®)を使用した生地

CWO®を使った生地で図る新たなブランディング

ファッションにおいて価値観がまったく違うものを掛け合わせるためには、まず違いを知るということが大事だと思います。その違いを理解し、つなげて、ブレークスルーしていく。そこに必要なのは「人」です。今回は、佐伯さんがいらして東福さんがいらして、髙木さんをはじめとする共同印刷の方々がいらして、当社のスタッフがいる。どれだけスペックがあったとしても、スペックと技術をつないでいく人たちがいなければ、今の形になっていないと思います。特に当社はこれまで問屋のポジションとして生地を手掛けていたわけで、メーカーが出してきた糸を活用して生地を開発することはあっても、ゼロから糸の開発に携わったことはありませんでした。そのことを考えてもチャレンジは大きく、みなさんとのつながりがなければなし得なかったことだと思っています。

東福

瀧定名古屋さんはすでにCWO®を使った生地のブランディングにも乗り出していらっしゃいますよね。

はい。CWO®を含んだ「NIROL」(ナイロール)という糸のブランディングを展開しています。ナイロールの表記の下には「Powered by CWO®」と書かせて頂く予定です。このナイロールのもと、遮熱機能、あったか機能、赤外線盗撮防止、そして光老化抑制の4つのブランドをさらに作り、それぞれの市場ターゲットに合った製品を打ち出していくブランディングを展開中です。2022年7月にはニューヨークでの展示会にも参加し、非常に良い反応をいただきました。海外の方はスペックに対して合理的にものを考えるところがありますので、機能の訴求に対する反応は良いですね。

近赤外線吸収繊維NIROLの展示会瀧定名古屋㈱様 「NIROL™」(ナイロール)の展示

瀧定名古屋株式会社様のブランド「NIROL™」に関するご紹介はこちら

佐伯

我々はもともとCWO®繊維に対して「温まる」という視点しか持っていませんでした。赤外線盗撮の話とか、我々の材料がそうしたことへの対策につながるとは思いもしませんでした。今、共創の意義をあらためて感じていますし、これからいろんなことが始まるのだなと、そんなふうに思っています。

東福

私も、CWO®の機能が果たして商品としてどうなるのか、その広がりに期待したいですし、瀧定さんの開発に私たちも大いに期待しています。

※本対談で紹介しているCWO®の詳細については製品ページをご覧ください。
近赤外線吸収材料の製品ページはこちら

近赤外線吸収材料(CWO®)を使用した衣服の性能試験マネキンを使用した赤外線カメラ撮影による機能試験(撮影試験)
左側生地(一般衣服)に比べ、右側生地(CWO®使用衣服)は透けないことが分かる

近赤外線吸収繊維NIROL(ナイロール)

瀧定名古屋株式会社様のブランド「NIROL™」に関するご紹介はこちら

※2022年9月取材
※取材は事前の検温、手指の消毒、換気の実施やソーシャルディスタンスを保つなど感染症を対策して行い、撮影時のみマスクを外しました。

MATERIALS ストーリーに関連する製品紹介

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