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地産地消とは?メリットやSDGsとの関わりについて

地産地消とは、端的にいえば「地元で生産されたものを地元で消費する」ことです。しかし、実際にはどのような活動や取り組みを行っているのかわからない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では地産地消についての基本情報をご紹介します。また、地産地消と関連性の高い「SDGs」との関係やメリットなども解説しているので、ぜひ参考にしてください。

地産地消とは?

野菜を選んでいるところ
まずはじめに、地産地消の概要や実際に私たちができることを詳しく解説します。

地産地消の概要

地産地消とは、地域で生産された農林水産物(食用に供されるものに限る)をその地域で消費する取り組みのことです。これにより、安心・安全な食品提供や食料自給率の向上や地域経済の活性化が期待されます。

また、地域の食材を活用し、地域の伝統的な食文化の継承につなげるだけではなく、地元の生産者と直接つながりや地域社会全体の発展を促進させることも目的です。生産者と消費者を結びつけることで「顔が見え、話ができる」といった関係性を構築する取り組みと位置づけています。
参照:地産地消(地域の農林水産物の利用)の推進|農林水産省

6次産業との関わり

6次産業とは、農林漁業者が食品加工や流通・販売に積極的に取り組み、所得向上を図る取り組みのことです。

1次産業が抱える課題やなり手の不足、後継者問題の解決への取り組み、さらに所得を増加させるためには、食品加工や流通・販売などの2次・3次産業が重要です。

6次産業は2010年に制定された法律で使用され、農林水産業の「1次産業」に従事する人々が食品加工の「2次産業」や流通・販売「3次産業」にも関与し、地域産業を活性化させることを目的としています。

6次産業の「6」という数字は、1次産業、2次産業、3次産業の異なる産業を合わせて地域を活性化させるという意味です。

地域内での食料生産の安定と、地域の消費者が地元の生産物に興味・関心を持つことを期待されています。
参照:地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律

地産地消とSDGsの関係性

SDGsのイメージ画像
地産地消とSDGs(持続可能な開発目標)は、とても深い関わりがあるのをご存知でしょうか。
SDGsとは国際連合が提唱し、2015年に採択された17の目標から成り立っています。

そのうちの目標14「海の豊かさを守ろう」と目標15「陸の豊かさも守ろう」が地産地消と関連性を持ちます。それぞれのつながりは以下の通りです。

  • 目標14「海の豊かさを守ろう」:地域の漁業資源を持続可能な形で管理することで海の生態系を保つ
  • 目標15「陸の豊かさも守ろう」:地域の自然資源や生態系を保護し、農業・漁業・林業の実践を通じて、陸地の豊かさを守る

その他にも地産地消は「持続可能なエネルギー利用(SDGsの目標7)」「持続可能な産業化の促進(SDGsの目標9)」「気候変動への対策(SDGsの目標13)」にも直結します。

食材の生産と輸送にともなうエネルギー消費が低減することで、地域社会は環境に対する負荷が減り、地球規模の持続可能な開発を目指せるでしょう。

なおSDGsについて、詳しく知りたい方は下記のコラムを参考にしてください。

SDGsで私たちにできることはある?個人や企業の取り組みについて

地産地消のメリット

野菜とお金の交換
地産地消には利点がたくさんあります。ここでは「消費者・生産者」・「環境・経済」の観点から見る地産地消のメリットをご紹介します。

消費者・生産者へのメリット

地産地消は、生産者と消費者の双方を結びつける取り組みといっても過言ではありません。地域社会全体に利益をもたらし、持続可能な食糧システムの構築を目指すことができます。
消費者・生産者へのメリットは以下の通りです。

【消費者のメリット】

  • 生産者の顔が見えるので安心して口に入れられる
  • 新鮮で安心・安全な食材が手に入る
  • 地元経済の支援ができる
  • 特産品や伝統的な食文化を支援できる

地元で生産された食材は、収穫してから直ぐに市場に出回ります。新鮮で品質が高く、生産者がどのように生産しているかがわかりやすいため、安心して購入できるのがメリットです。

【生産者のメリット】

  • 消費者と話す機会が増えたり声が聞けたりとモチベーションにつながる
  • 地域経済の活性化に関与できる
  • 規格外の食材も販売できる
  • 流通のコストを削減できる
  • 過剰生産を避けられる

生産者は消費者と直接対話する機会が増えます。生産者は消費者のニーズや好みに応じて生産を調整しやすくなり、コストの削減による経済的なメリットが生じます。

環境・経済へのメリット

地域内での直接取引が増えることで地元の生産者が収益を上げ、それが地域経済に循環されます。6次産業が進み、農林漁業者が製品の加工や販売にも参加することで、新たな商品やサービスが生まれ、市場の拡大につながるはずです。

さらに6次産業化により、生産物の輸送距離が短縮され、食品の生産・消費サイクルが効率的になります。地球環境に対する負荷を低減させ、サステナビリティを追求することが可能です。

地産地消のためのできる取り組み

直売所のイメージ画像
地産地消を積極的に取り組むために、農林水産省では「直売所・量販店で販売」「学校給食として提供する」「観光産業に活かす」ことを推進しています。

ここではそれぞれの活動を詳しく解説します。

直売所・量販店で販売する

地産地消の推進の一環として、直売所や量販店での販売が重要な取り組みです。

直売所では生産者と大型のショッピングモール、JAなどと提携し、新鮮な地元食材を求める消費者ニーズに応えるために野菜を販売します。

また、スーパーのような量販店ではインショップや販売コーナーを設置し、農産物の販売を行います。いずれも生産者の協力や参加が必要です。

学校給食として提供する

2007年に制定された学校給食法では、地産地消を推進する観点から学校給食において地元産の食材を積極的に取り入れるよう促しています。この法律の下で、地域社会と学校給食が連携し、地元の農産物や水産物を給食に組み込むような取り組みが進められています。

例えば、「全体の〇%以上を地元産」といった具体的な割合を設定し、その割合以上の地元の農産物や水産物を給食に利用するといったものです。

学校給食法を通じて、地元産の食材を使用することで地域農業の振興や地域社会への貢献が期待でき、同時に子どもたちに食育を教える機会を提供できます。

“栄養教諭が前項前段の指導を行うに当たっては、当該義務教育諸学校が所在する地域の産物を学校給食に活用することその他の創意工夫を地域の実情に応じて行い、当該地域の食文化、食に係る産業又は自然環境の恵沢に対する児童又は生徒の理解の増進を図るよう努めるものとする。”

引用:e-Gov法令検索|学校給食法

観光産業に活かす

宿泊施設で農産物を販売したり、農業体験のできる農園を整備したりと観光業と地産地消は深い関わりを持っています。

例えば、地元の農産物や特産品を宿泊者に提供するための直売所や物産コーナーを設置することで、観光客は手軽に地元の旬の食材を楽しめます。

また、宿泊施設が周辺の農園と連携し、観光客に果物狩り、野菜収穫などの農業体験を提供することも可能です。観光客が農作業に参加することで、地元の農業文化や生態系を理解し、これまで得られなかった体験ができます。

さらに観光客によって口コミやSNSを通じてグリーンツーリズム(農漁業体験を楽しんで地域の人たちと交流を図る活動)が広がることで、地域の観光資源としての認知度を向上させることも可能です。

地産地消を推進していくためには

野菜を収穫する女性
地産地消の推進において、農林水産省は消費者に支持される安全・安心な農産物の生産を前提条件とし、普及活動や啓発活動の一層の普及が必要であるとされています。

しかし、地産地消の効果が即座に現れることはなく、続けることが重要です。農林水産省は以下の3つの支援策を挙げています。

1.直売施設の環境整備の支援

生産者と消費者の接点を増やすための環境整備を行う

2.地域リーダーやコーディネーターの育成

地域ごとの特性やニーズに合わせた地産地消推進のための地産地消コーディネーターの派遣や育成。また、ITやスマート農業の活用による情報提供やマッチングの支援も行う

3.交付金の整備と地産地消推進計画の策定

画一的な制度設計ではなく、地域ごとの独自の特産品や計画、イベントを考慮した施策が求められる

これらの支援策は、地域ごとに異なる状況や要因に対応し、地産地消の全国展開を促進していく考えです。国産農産物には高い信頼が寄せられており、消費者の意識に合わせた取り組みが今後も注目されるでしょう。

参照:地産地消(地域の農林水産物の利用)の推進|農林水産省

住友金属鉱山と農業のかかわり~地産地消実現の可能性をもつ農業ビニールハウス~

ここまで、地産地消のメリットや実現のための取り組みをご紹介してきました。ここからは、住友金属鉱山と、地産地消のかかわりについて、高機能な農業用ビニールハウスとそれに利用されている当社の「SOLAMENT™」に焦点を当ててご説明します。

高機能な農業ビニールハウスとはなにか

"高機能遮熱ネット「青天張(あおてんじょう)」能任七株式会社様 高機能遮熱ネット「青天張(あおてんじょう)」

住友金属鉱山の近赤外線吸収材料(SOLAMENT™)を活用し、石川県かほく市の織物メーカー「 ㈱能任七」様独自の繊維加工技術を組み合わせて、高機能な遮熱ネット「青天張(あおてんじょう)」が開発されました。

これまで水菜やホウレンソウなどの高温障害になりやすい「軟弱野菜」を育てるために、太陽光を80%遮光できるシートを使っていましたが、成長に必要な太陽光も遮断してしまうといった課題がありました。

近赤外線吸収材料を使用した青天張の採用により、太陽光のなかでも赤外線が占める割合を調整し、高温期でもハウス内の温度を効果的にコントロールし高温障害を防ぐことに役立ちます。

近赤外線吸収材料についてさらに詳しく知りたい方は下記の対談記事(X-TALK)をご覧ください。
【対談記事】農業のビニールハウスを変える。近赤外線吸収材料(SOLAMENT™)を使用した遮熱シートの開発で温度を下げる

高性能なビニールハウスを実現する住友金属鉱山のSOLAMENT™とは?

住友金属鉱山の近赤外線吸収材料SOLAMENT™は、優れた可視光透過率と同時に、近赤外線を強力に吸収する能力を備えている無機材料です。

近赤外線吸収材料は、太陽光の暑さの源である850〜1200nm域の光を有効に遮断し、同時に作物の光合成に必要な400〜850nm域の光を透過させます。

この特性を活かした高性能なビニールハウスを使うことで、光が届きにくかったハウスの端の作物もしっかり育てられます。さらにこれまで作物が作れなかった場所でも作れる可能性があり、地産地消へ向けての貢献が期待できるでしょう。

【製品紹介】住友金属鉱山の近赤外線吸収材料(SOLAMENT™)について詳しく見る

まとめ

地産地消はその地域で生産し地域内で消費する仕組みで、持続可能な地域社会の構築や地域経済の活性化に貢献する取り組みとして広がっています。

中でも農業は、食糧生産を担い、地元の生産物利用を促進することで地域経済活性を支え、輸送などにおける環境への負荷軽減につながります。

持続可能な生産を行うために、新技術の導入が求められ、高性能なビニールハウスを導入する取り組みも広まりつつあります。

当社の近赤外線吸収材料は、農業用ビニールハウスに活用され、農業における効率や生産性の向上に役立てられています。

農業用ビニールハウスの高機能遮熱ネット「青天張」のような価値共創と材料を企業様と共創することで、農産物の生育環境を最適化できます。

住友金属鉱山の「共創」について関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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