SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)は国際連合が提唱した17の持続可能な開発目標で、私たちの世界をより持続可能で公平なものにするための枠組みです。
- 持続可能な未来を築くために、希土類磁石材料を通じてどのように貢献できるか?
- 私たちの取り組みや製品がどのように産業、エネルギー、環境などの分野においてポジティブな変化をもたらすか?
本コラムでは、SDGsの実現における、住友金属鉱山のWellmax®SmFeN磁石材料の活用についてご紹介します。また、SDGsに関する説明や当社のSDGsに向けた取り組みは以下のコラムに掲載しています。
(コラム)SDGsで私たちにできることはある?個人や企業の取り組みについて
地球資源の有効活用によるSDGs
先進国をはじめとする世界各国でCO2削減目標が掲げられ、EVの普及、風力発電などの自然エネルギーの利用が促進されています。
この促進に欠かせないモーターや発電機には磁力が強い希土類磁石が使われ、その中でもNdFeB(ネオジム鉄ボロン)磁石の需要は増加が見込まれています。
希土類元素を含む鉱石は産地による濃度の違いはありますが複数の元素が含まれます。鉱石を採掘した後、必要な元素は溶媒抽出法などの複数の分離・精製工程を経て取り出されます。需要が少ない元素も鉱石中には含まれるので需要が多い元素を採掘・精製する過程で産出されます。需要が少ない元素は精製過程において元素を分離する途中の溶液やそれを焼成した酸化物の状態などでストックされていたり、埋め戻されたりしています。
このように、地球上の限りある資源から需要が多い資源を取り出すための採掘・精製には多大なエネルギーが必要となり、一部の希土類元素(NdやDy)を取り出すためにこのエネルギーが使われており、余剰元素のSmを有効活用することはSDGsに貢献できると考えます。
NdやDyなどの余剰元素であるSmを有効活用することはSDGsに貢献できる
アプリケーションの省エネ・小型・軽量化によるSDGs
磁石を使ったモーターなどでは、強い磁力を持つ磁石を使うことで使用する電力を少なくすることができたり、小型・軽量にすることができたりします。モーターの小型化・軽量化では強い磁力を持つNdFeB磁石の利用は有効でモーターの省エネルギー化にも繋がりますが、特定元素Ndの需要が加速され地球資源の有効活用の観点からは好ましくありません。
Sm(サマリウム)を使った磁石の磁力はNdFeB焼結磁石の磁力には及びませんがNdFeBボンド磁石と同等以上の磁力を持ち、ネオジムレスで磁力が強いので省エネルギー化や小型化・軽量化のアプリケーション(モーターなど)に繋がります。
当社の希土類磁石材料の製品ラインアップにはSmを使用したサマリウム鉄窒素磁石がございます。関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。