コラム
銅張積層板(2層FCCL・透明FCCL)の特性
フィルム界面の平滑性、薄く均一な銅厚み、
透明基板への応用が特徴
平滑性:
フィルム界面の平滑性
~高い絶縁信頼性を実現
極薄銅層:
0.1µmから9µmの
薄く均一な銅層が
微細回路形成を実現
耐折性:
低反発性と高耐折性が
電子機器の薄化に貢献
透明性:
フィルム界面の平滑性により
高い透明性を実現、
「透明な材料」への応用が可能
銅張積層板の特長
フィルム界面の平滑性が高精度な配線加工や
絶縁信頼性を実現
住友金属鉱山の銅張積層板(2層FCCL・透明FCCL)は、ポリイミドフィルムまたは透明フィルムなど各種有機樹脂フィルムに銅を積層したフレキシブル基板用材料です。 フィルム界面の平滑性と薄く均一な銅厚みが特長で、微細な回路形成を可能とします。
透明アンテナ、透明FPCなどに必要な透明フィルムに銅を積層した透明FCCLの製作が可能です。高度なメタライジング技術で、ポリイミドフィルムまたは透明フィルムなど各種有機樹脂フィルムに銅を積層したフレキシブル基板用材料の製作が可能です。以下が特長のまとめです。

超微細な回路形成
・フィルム界面の平滑性と薄く均一な銅厚みが、超微細回路に必要な配線加工を実現させます。
・サブトラクティブ法またはセミアディティブ法(SAP,MSAP)に合わせた銅層の厚みを0.1µmから9µmまで選択可能です。
多用途対応
・各種有機樹脂フィルムに銅を積層したフレキシブル基板材料の製作が可能です。
・12.5µm厚のポリイミドフィルムを選択することで、電子デバイスの薄化・高集積化を支援します。
高い透明性
・透明フィルムと銅層の間に接着剤を使用しないことで、回路形成後もフィルム表面の平滑性をそのままに透明性を保つことが可能です。
・透明フィルムにはPETフィルム、耐熱性の透明ポリイミドフィルム、高透明かつ低損失のCOPフィルムなどを選択でき、透明ディスプレイや透明FPC、透明アンテナ、透明ヒーターへの利用が期待されます。
軽量化・フレキシブル化
・樹脂フィルムをベースとした銅張積層板は、薄化、軽量化、フレキシブル化が必要な部分において、従来の銅箔代替材料として利用されることが期待されています。
銅張積層板のラインナップ
各種フィルムと銅厚みを組み合わせた
カスタマイズが可能
住友金属鉱山の銅張積層板(2層FCCL・透明FCCL)は、さまざまな有機樹脂フィルムと自由な厚み設計が可能な銅層を組み合わせて選択頂けます。詳しい組合せはお問合せください。
フィルム | 銅層 | 形状 |
---|---|---|
ポリイミドフィルム 透明フィルム、他 |
片面(銅/フィルム) 両面(銅/フィルム/銅) 標準厚み0.3µm、2µm、8µm (0.1µmから可能、お問い合わせください) |
ロール状 (幅、長さはお問い合わせください) |

※ 当社の2層FCCLは、片面、両面タイプ、銅層の厚さ等を選択可能
資料請求
銅張積層板のダウンロード資料
製品仕様や特長をまとめた資料をダウンロードいただけます。導入検討にご活用ください。

銅張積層板(2層FCCL、透明FCCL)
S’PERFLEX
- 製品概要、特長
- 高度なメタライジング技術
- フィルム界面の平滑性と薄く均一な銅厚み
- 有機樹脂フィルムと自由な厚みの銅層を組み合わせた2層FCCL
- 製品ラインアップ
- フィルム、銅層、形状から選択可能
銅張積層板の用途・用法例
銅張積層板の用途とその可能性
用法
銅層の厚みは回路加工の方法によって選択頂けます。例えば、セミアディティブ法(SAP,MSAP)であれば0.1µmから4µm厚み、サブトラクティブ法であれば6µmから8µm厚み、パネルめっき後のサブトラクティブ法であれば2µmから5µm厚みの選択が可能です。
透明フィルムを使用した銅張積層板(透明FCCL)を用いることで視界を妨げない透明FPCの製作が可能です。
製造方法は、大量生産にも適したロールからロール(Roll to Roll)プロセスに対応しています。
薄化、軽量化、フレキシブル化が必要な部分への銅箔代替材料として使用頂けます。
用途
接着剤を使用しない銅張積層板(2層FCCL・透明FCCL)は、多くの回路形成用材料として利用いただけます。液晶や有機ELディスプレイのドライバーICを実装する回路のベース材料として、テレビ、モニター、モバイルPC、スマートフォン、タブレットに採用されています。今後は電子ペーパー、自動車車内のモニターへの採用が期待されます。
透明フィルムを使用した銅張積層板(透明FCCL)は、透明ディスプレイや透明FPC、透明アンテナ、透明ヒーターへの利用が期待されています。

銅張積層板の事例紹介
フィルム界面の平滑性と薄く均一な銅厚みである
特長を活かした事例
接着剤を使用しない銅張積層板(2層FCCL)の事例
従来の接着剤を使用した銅張積層板では、配線加工後の微量な銅残渣から超微細回路の短絡が問題となることがあります。住友金属鉱山の接着剤を使用しない銅張積層板(2層FCCL)を採用することで、これらの問題を解消し、液晶や有機ELディスプレイのドライバーIC実装用回路の信頼性を大幅に向上させることにつながった事例があります。結果として、テレビ、モニター、モバイルPC、スマートフォン、タブレットなどの製品の品質向上に寄与することができました。
透明フィルムを使用した銅張積層板(透明FCCL)の事例
透明アンテナや透明FPCの開発において、従来の材料では透明性と導電性の両立が難しいという課題があります。住友金属鉱山の透明フィルムと銅層の間に接着剤を使用しない銅張積層板(透明FCCL)を採用することで、直進性のある配線形状が視界を妨げない細線加工を実現でき、透明アンテナや透明ヒーター、透明ディスプレイなどの新しい製品開発の可能性が広がります。

FAQ
銅張積層板についてのよくある質問
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銅張積層板はどのように使用されますか?
- 電子デバイスの回路形成するベース材料として使用されます。例えば、テレビ、モニター、モバイルPC、スマートフォン、タブレットのディスプレイを表示させるドライバーICを実装する回路のベース材料として長年使用されています。
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銅張積層板の主な特徴は何ですか?
-
住友金属鉱山の銅張積層板は平滑なフィルム界面が主な特徴として挙げられます。フィルム界面が平滑なことでさまざまな課題を解決することができます。例えば、回路形成の配線幅がバラつくため微細回路が形成できない場合は、フィルム界面の平滑性が配線形状の直線性と配線幅のバラツキを改善します。さらに以下の機能向上が期待されます。
(機能向上の例)
・高精度に加工された配線は長期間での絶縁信頼性の維持を可能とします。
・平滑性は基材を折り曲げて使用する場合に回路の断線寿命を延ばします。
・平滑性は回路に伝送する高周波信号のロスを低減します。
・透明フィルムを使用することで回路形成後の視界を確保します。 -
住友金属鉱山の銅張積層板と他材料との違いは何ですか?
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住友金属鉱山の銅張積層板(2層FCCL・透明FCCL)は接着剤を使用していません。
高度なメタライジング技術で有機樹脂フィルム上に銅層を直接形成するため各種有機樹脂フィルムと組み合わせることができます。銅層は自由な厚み設計が可能なため、お客様の課題解決に合わせたフィルム種類、銅厚みを選択いただけます。
(組み合わせの例)
・薄フィルムを使用した銅張積層板→低反発回路基板や銅箔代替材料の用途に適しています。
・透明フィルムを使用した銅張積層板→透明回路基板の用途に適しています。 -
銅張積層板の用法にはどのようなものがありますか?
- セミアディティブ法(SAP,MSAP)やサブトラクティブ法(直接エッチング、パネルめっき後エッチング)といった回路形成用の材料として使用されます。また、薄い銅層の透明FCCLを用いて細い幅の回路形成することで視界を妨げない透明用途への使い方もあります。軽量性、フレキシブル性を生かした銅箔の代替材料など様々な使い方への検討が可能です。
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銅張リジット基板の取り扱いはありますか?
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当社の関係会社である伸光製作所株式会社がプリント配線基板を取り扱っています。
>>株式会社伸光製作所のホームページはこちら
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