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X-TALK Vol.10 【Part 2】 無限の可能性を秘めた振動発電。サプライチェーンを構築し社会実装の高速化へ

振動発電デバイス「V-GENERATOR」と鉄ガリウム磁歪合金単結晶で共創を続ける金沢大学と住友金属鉱山のX-TALK。【Part 2】では、V-GENERATORを中心としたサプライチェーン構築の取り組みと、両者の共創の未来について語り合います。

V-GENERATORと鉄ガリウム磁歪合金単結晶については【Part1】で紹介をしております。 【Part1】を見る

対談者プロフィール

振動発電のマッチングコミュニティ「V-COLLABO」

(Part1 からつづく)

――大きい材料が必要になってきた背景にはどんな理由があるのでしょうか?

振動発電の認知や可能性が広がり、より大きな発電量で研究結果を得たいと考える企業が増えてきたのがその理由です。さまざまな発信をしてきたことでV-GENERATORへの注目は近年非常に高まっており、2019年から2023年までの4年間のプロジェクトでは、400〜500社の企業から大学にお声がけをいただきました。そのすべてが社会実装や製品化につながるわけではありませんが、社会的な興味の高まりを感じています。

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高橋 V-GENERATORのウェブサイトも非常に充実していて勉強になりますね。

振動発電を世の中に実装するためには、まず多くの人に知ってもらう必要があると考え、振動発電に関する情報の整理と発信をプロジェクトのなかで積極的におこないました。かなりの量の動画や写真、応用方法のコンテンツなどをまとめ、振動発電の概要がわかるような、ある種教育コンテンツのようなサイトを制作しました。それを読んでいただいた企業の方や新しいアイディアを持っている方々から、「こんなことをやりたい」という相談が、今も多く寄せられています。

住友金属鉱山も参加させていただいているV-COLLABOという振動発電の社会実装を目指すマッチングコミュニティサイトの存在も大きいですね。

V-COLLABOは、振動発電にまつわるサプライチェーン構築を目指すマッチングコミュニティサイトです。先ほどお話ししたように、振動発電という新しい分野に興味をお持ちの方は多く、いろいろな企業からご相談をいただいています。しかし、実用化に向けて必要な技術や知見を1つの会社ですべて満たすことは難しいだろうと思っています。住友金属鉱山さんのような材料を作る企業、構成部品を作る企業、それを組み立てる企業、生まれた電気をセンサーや無線で送るための回路を作る企業、屋外に設置しても耐久性が担保されるようにパッケージングをする企業、販売する商社など、いろいろな企業が関わり合わなければサプライチェーンは出来上がりません。そうした課題を解決し、振動発電に社会実装を加速化させることが、V-COLLABOの目的です。現在、60を超える企業や団体がメンバーとして登録してくださっています。 振動からエネルギーをつくりだす未来の発電技術|V-GENERATOR

思いもよらないアイディアからニーズが広まるのでは

――住友金属鉱山としては、材料を提供する側として、振動発電の技術がどう広まっていくだろうと考えていますか?

高橋 磁歪材はアイディア次第でいろいろな可能性を持つ材料だと思っています。展示会に参加しV-GENERATORを紹介させていただく機会があるのですが、振動発電という言葉からお客様が連想するものは多種多様です。車を思い浮かべる方もいらっしゃいますし、デバイスとしては同じ周波数でずっと振動し続けるのが理想なので、そのことから心拍数のセンシングを想像する方もいらっしゃいます。自分では思いつかなかったアイディアがいくつも出てくることから考えても、振動発電という分野はアイディア次第で可能性が無限大なのだと実感しています。私個人のアイディアでは、地球科学を専攻していたこともあり、地震や土砂崩れはイメージしやすいですね。また、宇宙のような電気のないところでも探査機の振動で発電できるのか、なども考えたりしています。

私は、自分には到底想像もつかないようなところで使われるんじゃないかなと思っているんです。例えば、昔ポケベルというデバイスがありましたが、社会人が会社に連絡するために使われるものだと思いきや、実際には女子高生の間で大流行しました。そのぐらい、技術の広まりというのは読めないものです。無理やり「こういう用途に当てはめよう」というのではなく、困り事を解決しようと考える人の解決法に偶然当てはまるような形で広まるのだろうと思います。

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歴史的に考えても、最初はただ研究者の興味で「おもしろいね」と言われていただけの研究が、何かに使われることで予想もしない方向に飛躍したということは大いにありますからね。

高村 ニッチな市場であっても、使いたい人がいる、絶対にこの技術が必要だという分野が見つかれば、それをきっかけに爆発的に広がることがあるのではないかと、私も常に感じています。今の研究がもとになって、必要としてくれる人がたくさん増えたらうれしいです。

揺らしたり弾いたりしても発電するんですけど、落としても発電しますよね。そこにも大きなヒントがありそうな気がしています。

それぞれの知見を共有し、より優れたデバイスを

――それぞれに期待すること、「今後こういうことをやって欲しい」と思うことを聞かせてください。

発電効率の良いデバイスを作るためには、私たち自身も材料の中身や特性をしっかりと理解しなければいけないと考えています。今後は、単に材料を供給していただくだけでなく、材料の知見を含めた議論をさせていただくことで、社会に寄与するような優れたデバイスを一緒に作っていきたいと思っています。

高村 鉄ガリウム磁歪合金単結晶という非常に性能の良い材料を作っていただいたおかげで、私たちの研究も深化しています。鉄ガリウムはもちろん継続して使いつつ、また何かおもしろい材料を作られた際には、ぜひご提供いただきたいです。

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高橋 私たちは材料を懸命に作って提供していますが、逆にデバイスの知識についてはいつも勉強させていただくことばかりですし、材料の評価・報告をいつも非常に楽しみにしています。お互いができることを伸ばし、補い合いながら、今後もご一緒させていただけたらと思います。

私は研究者ですから、これからも少しでも良い材料を生み出したいと考えていますが、どんなに材料を磨いても、それを飛躍させてくださる方々との共創は欠かせません。その点、V-COLLABOのようなサプライチェーンを構築する仕組みを作っていただいたことは本当にありがたいです。そこからきっと新しい発見が生まれると思います。振動発電を活用したいと考える企業とより多く結びつくためにも、今後もいろいろな知見をいただき、一緒に取り組みを続けさせていただきたいと思っています。

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本対談でご紹介した詳細はこちら
振動からエネルギーをつくりだす未来の発電技術|V-GENERATOR
住友金属鉱山のFe-Ga磁歪合金単結晶

X-MININGとは

「X-MINING(クロスマイニング)」は、住友金属鉱山のDNAのもとに新たに始まる、未来を見据えた新しい共創のかたちです。
日本を代表する資源製錬会社の一つ住友金属鉱山には、積み上げた独自の技術と素材力があります。その技術や素材力も今や私たちの手の中でのみ守り育てる時代ではなくなりました。ならば、それらを有効に活用しイノベーションを実現するにはどうすべきか。その答えを共に探すパートナーと技術の創出や課題の解決に取り組むプロジェクトが「X-MINING(クロスマイニング)」です。

本ウェブサイトでは、材料の機能や技術、SDGsに貢献するソリューション事例など幅広く紹介します。当社製品と皆様のアイデアを”共創"(クロス)させ、社会にインパクトを与える新たな価値を“掘り起こすこと”(マイニング)を目指します。

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