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サステナブルな未来を拓く「メタネーション」。その実用化を支えるニッケルの新たな可能性

脱炭素社会に向けた技術開発が進むなか、化学反応を効率よく進める触媒の重要性はますます高まっています。なかでもニッケル(Ni)は、コストと性能のバランスに優れた触媒材料として、メタネーションをはじめ幅広い反応系で活用が期待されています。一方で、触媒性能を引き出すには、触媒金属の特性や担体中における分散状態など多くの検討が必要です。

住友金属鉱山は「超微粒ニッケル粉」で培った湿式合成技術をもとに、メタネーション向けニッケル系触媒を開発しています。本記事では、これらの技術がもたらす利点と、今後の応用可能性を紹介します。

メタネーション向けニッケル系触媒

都市ガスに替わるクリーンエネルギー技術として注目されているのが、「メタネーション」と呼ばれる技術です。メタネーションは、水素(H₂)と二酸化炭素(CO₂)を反応させてメタン(CH4)をつくる技術であり、化石資源への依存を減らす選択肢のひとつとして注目されています。

このメタネーションを従来よりも効率化するカギとなるのが、ニッケル(Ni)を主成分とする「ベースメタル触媒」です。
住友金属鉱山では、メタネーション反応(サバティエ反応)に適したニッケル系触媒を開発しました。

一般的にはサバティエ反応によるメタネーションは400℃程度で行いますが、本開発品は、低温(230℃程度)でも高い活性(CO2転化率80%以上)を持ちます。
このニッケル系触媒は、当社のコア技術であるニッケル微粒子合成技術(晶析技術)を利用して作製しています。晶析技術を用いることで、触媒として適した粒子に調整することができます。

住友金属鉱山では、メタネーション反応に適した微細なニッケル粒子を、多孔質な触媒担体へ含浸しやすくした「超微粒ニッケル粉スラリー分散液」も開発しています。これにより、1ステップで多量の触媒粒子を触媒担体に導入しやすくなりました。

住友金属鉱山の超微粒ニッケル粉スラリー分散液の含浸性試験動画

当社の微細粒子合成技術と分散技術により、触媒粒子の分散液でも含浸し、1ステップで多量の触媒粒子を導入可能に。

ニッケルスラリーが広げる活用可能性

超微粒ニッケル粉やニッケルスラリーの価値は、メタネーション専用の材料にとどまらない点にもあります。例えば、炭化水素の改質や水素化反応などの化学反応触媒用途に加え、燃料電池や各種電極材料へ展開できる可能性があります。また、導電性ペースト、磁性材料、電磁波シールド材料、シンター材など、多岐にわたる用途が考えられます。

この広がりを支えるのは、粉体そのものの特性と、スラリーとして扱えることの柔軟性です。住友金属鉱山の超微粒ニッケル粉は、湿式プロセスにより0.1マイクロメートル以下の微粒子でありながら、均一な粒度分布を有し、分散性が高く、有機物由来の不純物も少ないため、スラリー化した際の扱いやすさにもつながります。
水素ステーションのイメージ写真

 
メタネーションのような脱炭素関連技術をはじめ、燃料電池、電極材料、各種触媒反応など、ニッケルが関わる領域は今後も広がっていくと考えられます。そうしたなかで材料を導入検討する際には、粉体そのものの粒子径や粒度分布だけでなく、分散安定性、担体への含浸性、反応条件下での耐久性、さらには製造プロセスとの適合性まで含めて確認することが重要です。

X-MININGは、こうした検討の入口として、素材情報の把握や比較検討の手がかりを提供し、次の共創につなげるためのプラットフォームを用意しています。関連コラムや関連技術(素材・実装)情報もあわせて掲載していますので、ぜひご覧ください。検討中のテーマがある場合は、「X-MINING」のお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

【関連リンク】
製品紹介|超微粒ニッケル粉
製品紹介|耐酸化ナノ銅粉
コラム|ベースメタル触媒

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