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燃料価格の高騰などにより、値上がりが続く電気代。今の時代、電力は必要不可欠のため、節電して少しでもその負担を減らしたいと考えている家庭や企業は多いのではないでしょうか。また、サステナブルな社会づくりやSDGsへの貢献に向けて、まずは電力消費の削減や省エネから取り組もうと考えている企業もあるでしょう。
そこで本記事では、個人・企業が実践できる効率的な節電方法や、電力消費削減に役立つ住友金属鉱山の製品と活用例についてご紹介します。
電力消費はどの時間帯が多い?
電力消費の削減を考えているのであれば、まずは消費電力が多い時間帯と、消費電力の多い家電について知ることが大切です.
契約している電力会社やプランによっては、電力消費の多い時間帯は単価が高くなる場合もあるため、ピークを避けて消費電力の高い電化製品を使うことで電気代を抑えられます。
電力消費が多い時間帯
日本の企業における電力の総需要は、日中(13時〜17時)に高まる傾向があります。昼休みが終わってオフィスや工場が再稼働し、その状態が終業まで続くためです。
また、一般家庭における電力消費は、家族が帰宅する夕方18時頃から夜にかけてがピークとなっています。夕方から夜の時間帯は、暗くなったので電気をつける、帰ってきてエアコンをつける、夜ご飯の準備をするなど、電力を必要とするシーンが増えるためです。
電力消費が多い家電製品
一般家庭でよく使われる、電力消費が多い主な家電製品は以下の通りです。
- エアコン
- 冷蔵庫
- 照明機器
- テレビ
- 温水洗浄便座
- 洗濯機・乾燥機
また、下記の円グラフは、一般家庭における電気の使用割合(夏季19時頃)を表したものです。
画像引用:夏季の省エネ・ 節電メニュー|経済産業省-令和4年6月
図からわかる通り、エアコン、冷蔵庫、照明の3種類で6割以上を占めているため、家庭ではこれらの家電製品を中心に節電に心がけることで、効率よく電力消費の削減が可能です。
個人が家庭で電力消費の削減をする方法
個人が家庭で電力消費を削減するには、家電製品の節電を心がける必要があるでしょう。ここからは、特に家庭での使用頻度や消費電力が高い以下の家電製品について、それぞれ具体的な節電方法をご紹介します。
- エアコン
- 冷蔵庫
- 照明機器
- テレビ
エアコン
エアコンは家電のなかでも総じて消費電力が高いため、節電を意識することでより効果的に電力消費を削減できます。
厚手のカーテンや遮熱カーテンがあると、夏は窓から熱気が屋外から入り込むのを防ぎ、冬は温かい空気が逃げるのを防げるため、冷暖房を効率的に使うことが可能です。また、フィルターが目詰まりしていると、冷暖房の効果が下がり無駄な電気を使ってしまうため、2週間に1度をめどに掃除しましょう。
冷蔵庫
毎日動かしっぱなしの冷蔵庫も、日頃のちょっとした行動で電力消費の削減が可能です。庫内の温度が上昇すると冷却するために消費電力が増えるため、食材は詰め込みすぎないように。また、開閉の回数もできるだけ減らすよう心がけましょう。
なお、自宅の冷蔵庫の温度設定は、買ったときのままいじっていないという方も多いかもしれませんが、夏は「中」、冬は「弱」など、季節に合わせて設定することで消費電力を抑えられます。
照明機器
年間を通して長時間使用する照明機器も、種類や使い方によって大きな節電効果が期待できます。長時間部屋を空けるときは電気を消すなど、必要のない明かりはこまめに消すようにしましょう。また、照明のLED化も効率的な省エネ対策の一つです。LEDランプは、少ない電力で白熱電球や電球形蛍光ランプと同等の明るさを維持できます。
たとえば、54Wの白熱電球を9Wの電球形LEDランプに交換した場合、年間でおよそ90.00kWhの省エネになり、約2,790円節約できる計算になります。
出典:照明 | 無理のない省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト
テレビ
季節を問わず頻繁に使用するテレビも、上記のエアコン、冷蔵庫、照明に次いで家庭での電気使用量が多い家電製品です。
消費電力はサイズや液晶の種類によって異なりますが、一般的にサイズが大きく、高画質なものほど消費電力も高く、電気料金も高くなる傾向にあります。見ていないときは電源をオフにするのはもちろん、視聴中も「省エネモード」に設定したり、画面の明るさを下げることで電力消費の削減が可能です。
その他
その他、家庭ですぐに実践できる主な節電対策は以下の通りです。
- 使用しない家電のコンセントは抜いておく
- 温水洗浄便座の場合は温水のオフ機能やタイマー節約機能を利用する
- 人のいない部屋の電気やエアコンは消す
家電製品やガス機器などは、電源オフにしていても電源(コンセント)に差しているだけでわずかに電力を消費しています。テレビやパソコン、プリンターなどは、長時間使わないときはコンセントからプラグを抜いておき、こういった待機電力を減らすようにしましょう。
企業が電力消費の削減する際に見直すポイント
オフィスビル(夏季17時頃)における消費電力では、空調が約49%、照明が約23%、パソコンや複合機などのOA機器関連が約14%を占めています。
画像引用:夏季の省エネ・ 節電メニュー|経済産業省-令和5年6月
このため企業単位で電力消費の削減に取り組む場合には、照明関連、空調関連、OA機器関連の3つの取り組みについてまず見直すようにしましょう。
照明関連の取り組み
オフィスには多くの照明が設置されているため、全体の使用状況を見直すことで電力消費を大幅に抑えることが可能です。必要な明るさが保てる範囲で照明の数を減らす、照度を調節する(明るさ温度設定を下げる)などの工夫をしましょう。
また、白熱電球を利用している場合はより消費電力の少ない電球型蛍光灯やLED電球に取り替えることも検討できます。導入コストは気になるかもしれませんが、長い目で見ればランニングコストの軽減にもつながります。
空調関連の取り組み
夏の冷房の室温設定は28度、冬の暖房の室温設定は20度が目安です。
夏は温度設定を1度高くすると約13%(約70W)の消費電力の削減になり、冬は1度低くすることで約10%の消費電力の削減になります。ただし、無理にエアコンの使用を控えると体調に影響します。特に夏は熱中症のリスクもあるためになる恐れもあるため、無理はしないようにしましょう。
また、扇風機やサーキュレーターを併用すると、室内の空気を循環させ、冷暖房効率を高めることができます。
OA機器関連の取り組み
オフィス業務の自動化や効率化に欠かせないパソコンやファックス、複合機(コピー機)などのOA機器も、オフィスの電力消費において大きな割合を占めています。
使用しないときは電源オフまたはコンセントを抜いておくほか、省電力モードやスリープモードを設定する、複数台ある機器については使用頻度に応じて稼働台数を減らすなどの工夫をすることで消費電力の削減が可能です。
また、最新のOA機器は省エネ性が高くなっているものも多いため、新製品に買い替えることでも高い節電効果が得られることもあります。
その他の取り組み
その他、企業ですぐに実践できる主な節電対策は以下の通りです。
- クールビズの導入
- エコドライブの実践
- 混雑時以外はエレベーターやエスカレーターの稼働台数を減らす
ネクタイやジャケットの着用を省くなど、服装の軽装化を図るクールビズを導入すると、夏の暑い日でも、適正な室温設定(目安は28度)で涼しく快適に過ごせます。また、車両を日常的に使う企業の場合は、社内でゆっくり発進やゆっくり停止などのエコドライブ活動を推進するのも省エネ対策の一つといえるでしょう。
住友金属鉱山の近赤外線吸収材料(SOLAMENT®)を利用して電力消費削減に取り組む
節電は、個人や企業単位で今からすぐに取り組めるSDGsの実践方法の一つです。
住友金属鉱山もまたSDGsの達成に向けた取り組みを行っており、その製品の一つである近赤外線吸収材料SOLAMENT®※は、電力消費削減の貢献可能性がある材料です。
※SOLAMENT®は、住友金属鉱山が独自で発明し、国内外の特許・商標を所有する近赤外線吸収微粒子CWO®を用いた、太陽光をコントロールする素材テクノロジーブランドです。
【関連記事】SDGsで私たちにできることはある?個人や企業の取り組みについて
省エネルギーで快適な空間を実現する
近赤外線吸収材料「SOLAMENT®」は、太陽光の暑さの源である波長850〜1200nm の光を強く吸収できるオリジナル材料です。高い遮熱性と透明性を併せ持つため、透明度の高い遮熱窓を実現可能。オフィスの窓に使用することで、室温上昇の原因となる光のみを抑制し、エアコンの冷房効率を高めて快適な室温を維持できます。
具体的には、大きなガラス窓の建物は開放感があって集客・防犯性に優れる反面、真夏は温度上昇しやすいです。このため強力なエアコンのフル稼働が必要というデメリットがありますが、近赤外線吸収材料「SOLAMENT®」を使用した窓なら、デザイン性を損なわず、開放感のある空間と快適な室温を両立できます。
SOLAMENT®をガラス窓に使用した事例については以下のページでもご紹介しています。ぜひご覧ください。
身近な電気機器に活用されている磁石材料「Wellmax®」
当社のSmFeN(サマリウム鉄窒素)磁石材料を主力とする磁石材料「Wellmax®」もまた、今後さらなる電力消費削減の実現につながることが期待される製品の一つです。磁力が強いのが特徴で、エアコンや洗濯機などの家電製品に20年以上使用されている実績があり、近年では電子機器や車載用モーターなど特に小型化、軽量化、高効率化が求められる製品での使用も増えています。
日本電機工業会によると、モーターは日本の消費電力量の半分にあたる約55%、世界でも40〜50%を占めるというデータがあります。そのため「Wellmax®」を活用したモーターの効率化は今後の電力消費削減という観点で大きな役割を果たす事が期待されます。
電力消費の削減や省エネルギー化はカーボンニュートラルにつながる
ここまでご紹介した個人や企業で電力消費の削減や省エネルギー化は、世界各国で実現に向けて推進されているカーボンニュートラルの取り組みにつながります。
カーボンニュートラルとは、排出される温室効果ガスを吸収、または除去することで、実質的な排出量をゼロにすることです。日本の発電方法は、化石燃料などを燃やす火力発電が主流であるため、電力消費の削減や省エネに取り組むことで、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を減らすことができます。
カーボンニュートラルについては以下の記事でより詳細にご紹介しています。
【関連記事】カーボンニュートラルとは?意味や具体的な取り組みについて
まとめ
家庭での節電には、小さな行動の積み重ねが大切です。法人や企業単位で節電に取り組む場合は、オフィスにおける電力消費の割合が高い照明や空調、OA機器関連で見直しを図ると効率的であるといえるでしょう。また、電化製品やOA機器は日々進化しているため、省エネ性能の高いものに買い替えるのもおすすめです。
住友金属鉱山では、当社製品や技術を活用するとともに、他者とのアイデアを”共創”(クロス)させることによるイノベーションの実現をめざしています。電力削減や省エネなどを通して、環境負荷の軽減やSDGsへの取り組み、社会的な貢献に興味がある企業様はぜひ、その他の製品やソリューション事例についてもご覧ください。
【事例紹介】|X-MINING|住友金属鉱山株式会社