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外周20極極異方性SmFeN磁石解析事例
【解析事例:磁場解析シミュレーション】

外周20極極異方性SmFeN磁石で表面磁束密度の波形を二次元解析と三次元解析で比較したシミュレーション例です。
磁場解析シミュレーションの概要はこちらをご覧ください。 磁場解析シミュレーションページについて詳しく見る

このようなことでお困りではありませんか?

  • 三次元の磁場解析計算を二次元にして計算時間を短縮したい
  • 三次元解析と二次元解析で磁石の表面磁束密度がどのように影響するかを知りたい
  • どのような場合に二次元解析を用いれば良いかを知りたい

Wellmax®SmFeN射出成形磁石を用いたご提案

二次元解析と三次元解析の表面磁束密度波形を、配向の構成をいくつか変えてWellmax®SmFeN磁石材料と市販の磁場解析ソフト「JMAG」を用いてシミュレーションした事例をご紹介します。

解析手法

Step1:配向解析

永久磁石を埋め込んだいくつかの金型のモデルを作成して成形の際にWellmax®材料がどのような配向になるかを「JMAG」の二次元解析と三次元解析で計算します。

Step2:表面磁束密度解析

Step1で得られたWellmax®磁石の配向で得られる磁石の表面磁束密度の波形を同様に二次元解析と三次元解析で計算します。

モデル:磁場解析シミュレーションする磁石

  • 磁石の形状:Φ35×Φ32×L17 (mm)
  • 磁石材料:Wellmax®-S3A12M
  • 磁極:外周20極
  • 異方性:極異方性
    要求特性:表面磁束密度≧0.25T(磁石の軸方向中央、磁石表面からGap=0.2mm)
  • 波形形状:正弦波
  • 付属部品:内径側ヨーク(磁性材)、スリーブ材質(磁性材/非磁性材)

図1 解析する磁石形状

 

Step1:配向解析

解析モデル

配向モデルは磁石1極に対して1~2個の永久磁石(配向用磁石)を用いて構成し、配向用磁石の配置や角度、金型部品の材質を変えました。二次元解析では円筒座標を用い、磁石の中心軸を円筒座標の中心軸としてモデルを構成しました。
二次元モデル、三次元モデルのいずれも1極分(18°)で作成し、解析ソフトの回転対称条件、対称境界条件を用いました。

図2 解析モデル(例)

表1 6パターンの解析モデルの設定

Case-1 Case-2 Case-3 Case-4 Case-5 Case-6
内径側ヨーク材質 磁性
スリーブ材質 磁性 非磁性 磁性 磁性 非磁性 磁性
配向磁石数(pc/極) 1 2 2 2 2 2
配向磁石配置 pattern-1 pattern-2 pattern-2 pattern-2 pattern-3 pattern-3
配向磁石角度 A B B C D D

解析結果

キャビティ内に充填されたWellmax®磁石材料の磁化の方向と大きさを、二次元と三次元の各配向モデルについて磁場解析ソフト「JMAG」を用いて計算しました。

図3 キャビティ内の配向解析ベクトル図(例)

Step2:表面磁束密度解析

解析モデル

・Step1で得られた配向を持つWellmax®材料の各磁石の表面磁束密度がどのような波形になるかを二次元と三次元の場合について磁場解析を用いてシミュレーションしました。

解析結果

・各配向モデルで磁場解析を行いシミュレーションした磁石の表面磁束密度のピーク値、波形の奇数次成分値について、配向モデルの構成や二次元解析と三次元解析の結果を比較しました。

図4 各配向に基づく磁石解析結果ベクトル図(例)

各配向に基づく磁石解析結果ベクトル図(例)

図5 6パターンの配向モデルにおける磁石の表面磁束密度波形

6パターンの配向モデルにおける磁石の表面磁束密度波形

図6 6パターンの配向モデルにおける磁石の表面磁束密度波形のピーク値とFFT解析結果

青:三次元解析赤:二次元解析
6パターンの配向モデルにおける磁石の表面磁束密度波形のピーク値とFFT解析結果
青:三次元解析赤:二次元解析

まとめ

二次元解析と三次元解析の表面磁束密度波形を、配向の構成をいくつか変えてWellmax®SmFeN磁石材料と市販の磁場解析ソフト「JMAG」を用いてシミュレーションし比較しました。併せて、磁石の表面磁束密度が正弦波に近くなる配向構成を検討しました。

二次元解析は三次元解析に比べると波形形状は少し変わり、特にラジアル配向に近い波形形状の場合で極中央部に凹が生じる結果でした。磁石単体での表面磁束密度の測定ではパーミアンスの違いによる影響が大きく現れます。特にラジアル配向の場合は極切替部に比べて極中央部はパーミアンスが低く、二次元解析ではこの影響が顕著になります。磁石の対面に磁性材が配置された場合はパーミアンスの違いは小さくなり、波形も変わります。

今回検討した6パターンの配向構成では、パターン5および6で波形の1次成分が90%近くとなり、3次、5次の高次成分が低く正弦波に近い波形となりました。

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