コラム
微粒銅粉の特性
湿式合成技術によるサブミクロン粉の合成、
均一な粒度分布
優れた耐酸化性により、
大気中での取扱いに優れる
200℃前後で
焼結を開始する
優れた低温焼結性※
シャープな粒度分布
を実現~高い単分散性
微細な粒子の
ラインナップ化
- 平均粒子径0.3μmを中心とした微粒銅粉でありながら、表面の有機被膜により常温から160℃未満の温度域での酸化は非常に緩やかであるため、保存安定性、ハンドリング性にも優れ、さらに160℃未満であれば大気中で取り扱いが可能です。
- 独自の湿式粉体制御技術により、シャープな粒度分布・高い単分散性を有しております。99%近く銅成分であり、低温で不純物の少ない緻密な焼結面を得ることができます。
微粒銅粉の特長
微細粉、耐酸化性、低温焼結性を兼ね備え、
銅の可能性を最大限に引き出す
住友金属鉱山の微粒銅粉(UCPシリーズ)は、均一な粒度分布を有し、銅の融点よりも大幅に低い温度で粒子同士の結合により低温で焼結が可能です。さらに、独自の銅粉表面の有機被膜による表面処理により室温から160℃までであれば、大気中で取り扱える耐酸化性を有しています。
近年、樹脂基板等耐熱性の低い部材の実装に対応できうる温度で焼結できうる銅粉の開発が求められております。

低温焼結性を両立させた200nm,300nm,400nmの粒子径の銅粉を開発
一般的には金属粒子を微細化するにより焼結温度の低温化を図ることができますが、一方で銅粉の場合、微細化により酸化し易く、取り扱いが難しくなります。そのような課題を背景に、住友金属鉱山はこれまで培った湿式合成技術を活用し、粉体としの取り扱いやすさと低温焼結性を両立させた200nm,300nm,400nmの粒子径の銅粉を開発しました。微細な粒子径のラインナップを多数もつことで、お客様での開発スピードアップを図ります。
また、微粒子特有の性能を活かし、銅の抗菌材料等の電子材料分野以外においても性能向上を実現いたします。
微粒銅粉のラインナップ
様々な開発方法を想定した粒子径シリーズ
住友金属鉱山の微粒銅粉開発品シリーズです。
ラインアップにないものをご希望の際は、お気軽にお問い合わせください。
開発品名 | UCP-040N | UCP-030N | UCP-020N | UCP-020N2 |
---|---|---|---|---|
SEM平均粒径(μm) | 0.44 | 0.26 | 0.21 | 0.21 |
O(%) | 0.32 | 0.63 | 0.44 | 0.70 |
C(%) | 0.20 | 0.38 | 0.26 | 0.53 |
|
微粒銅粉の用法例
微粒銅粉の用途とその可能性
微粒銅粉の用法として、ペースト化、インク化、添加剤、練り込み、粉末冶金などがあります。
これらを使った具体的な用途としては、以下のようなものが想定されます。
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微粒銅粉の事例紹介
低温焼結性を活かした微粒銅粉の事例
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当社の微粒銅粉を用いた透明ポリイミド基板上の耐酸化性銅回路
銅による電極形成については、凝集対策・焼結温度の低温化・品質の維持(耐酸化性)などさまざまな課題があります。
住友金属鉱山の微粒銅粉(UCPシリーズ)は、雰囲気など他の焼結条件にもよりますがアトマイズ銅粉に比べてより低温で焼結を開始します。そのため、単独での使用はもちろん、他の銅粉と組合せ焼結温度を下げる焼結助剤としての使用も可能です。
更に、当社の微粒銅粉は、特殊な表面処理を施しているため、微粒であるにもかかわらず耐酸化性に優れています。そのため、有機溶剤への分散性やペースト化した場合の安定性(耐酸化性)を向上できる可能性があります。
平滑で薄い銅電極膜を作成するために微粒な銅粉を使っているものの、ペースト中での銅粉の凝集や分散にお困りの方、当社の微粒銅粉を一度ご検討いただければ幸いです。
FAQ
微粒銅粉についてのよくある質問
- 粉(UCPシリーズ)の主な用途はなんでしょうか?
- 当社の微粒銅粉UCP-030Nは、耐酸化性と低温焼結性に優れるため、導電ペースト/インクの金属フィラーやダイアタッチ用途の焼結ペーストに適しています。また銅粉は粉末冶金や抗菌剤用途にも使用されます。
- 他の銅粉と組み合わせて使用できますか?
- 当社の微粒銅粉UCPシリーズは、均一な粒径が特徴の低温焼結銅粉です。他の銅粉と組み合わせることで充填密度の増加や焼結温度の低下など、特性向上が可能となります。
- この銅粉に撥水性はありますか?
- 当社の製造法で形成した銅粉は、水を含む極性溶媒へ容易に分散が可能です。
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X-MININGは、住友金属鉱山の素材力と様々な業界の課題やアイディアをかけ合わせ、技術創出や課題解決を目指す取り組みです。
このような可能性が実現できるかも…と思いましたら、小さなことでもお気軽にご相談ください!
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