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シンプルな構造の高機能ガラスが実現できないか?

シンプルな構造の高機能ガラスが実現できないか?

近年の地球温暖化・記録的な酷暑の中、建材ガラス・自動車窓・ビニールハウス・アパレルなどの分野では、可視光を透過しつつ太陽光に含まれる近赤外光を抑制して遮熱する機能へのニーズが高まっています。

特に、窓ガラスではLow-Eガラスという高機能ガラスの普及が進んでいますが、腐食性が懸念される銀を使うことから、耐候性を高めるために構造が複雑になりコストアップが避けられない課題があります。

素材の力でもっとシンプルな構造の高機能ガラスを実現できないでしょうか?

私たちからのご提案

CsWO薄膜をガラスに成膜することで、Low-Eガラスと同等の機能を付与できる可能性を見出しました。CsWO反射膜は高い遮熱性能と透明性に加えて、近赤外光をほとんど吸収せず反射する特性を持っています。また、酸化物ゆえに高い耐候性(耐候試験2800時間後も光学特性に変化なし)があります。この素材をガラスやフィルムに成膜することで、シンプルな構造で高機能ガラスを実現できると考えています。

①CsWO分散粉とCsWO反射膜の特性比較

従来のCsWO(セシウムタングステンブロンズ)のナノ粉は近赤外光を局在プラズモン共鳴により吸収していましたが、これを薄膜にした透明近赤外光CsWO反射膜は近赤外光のプラスマ反射が発現しました。下表に、ナノ粉と反射膜の特性比較を示します。

CsWO分散膜(ナノ粉)とCsWO反射膜の特性比較

比較項目 CsWO分散膜(ナノ粉) CsWO反射膜
可視光域 VIS 透明(薄青色) 透明(薄青色)
近赤外光域 NIR 吸収発熱 Absorb-CsWO 反射 Reflect-CsWO
中〜遠赤外光域 IR 透過 反射(断熱)→ Low-E
膜厚 数1000nm 100〜150nm
膜形成方法 塗布/混錬 真空成膜
熱線遮蔽性能 同等(吸収発熱) 同等(反射)

下図に、2つの素材の分光光学特性を示します。
分散粉・反射膜共に可視光域は透過していますが、近赤外光域においてナノ粉は透過率・反射率が著しく低く、すなわち発熱を生じています。一方で反射膜は反射率が高く発熱し難いことが分かります。

CsWO分散膜(ナノ粉)とCsWO反射膜の分光光学特性
CsWO分散膜(ナノ粉)とCsWO反射膜の分光光学特性比較

②    Ag系多層反射膜とCsWO反射膜との比較

下表にCsWO反射膜とLow-Eガラスに多く採用実績をもつAg系多層反射膜の特徴/特性比較を示します。反射膜は単層のシンプルな構造でありながら、遮熱性能と耐候性はAg系多層反射膜と同等です。

Ag系多層反射膜とCsWO反射膜との比較

比較項目 Ag系多層反射膜 CsWO反射膜
遮熱タイプ NIR反射タイプ NIR反射タイプ
総膜厚 100〜200nm 100〜200nm
膜総数(除く保護膜) 5〜13層(複雑、誤差に敏感) 単層(プロセスウィンド広い)
電波透過性(導電性) 無し(有り) 有り(無し)
遮熱性能 同等 同等
耐候性 保護層を追加することで同等
※Agはマイグレーション/耐食性に問題がある
同等
酸化物のみ

可能性は無限大です

私たちは、CsWO反射膜を通じて透明性と遮熱性を両立する新しいソリューションを社会実装し、建材、モビリティ、農業、アパレルなど多様な分野での価値創出を目指しています。
この実現に向けて、材料特性の最適化、量産化、用途展開を加速させるための共創パートナーを探しています。

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